キーボードの配列はなぜアルファベット順になっていないのか、誰でも一度は疑問に思うかもしれません。
今回はキーボードの配列が不規則である理由と、配列の覚え方について解説します。
世界のキーボード配列は「QWERTY配列」が最も多い
「QWERTY配列」とは、パソコンのキーボード配列の一種です。世界では現在QWERTY配列がノートパソコン、デスクトップ、スマホ全てのキーボード配列でスタンダードになっています。
読み方は「クワーティ」「クアーティ」「クウェルティ」など複数で、どの読み方でも正しいです。
QWERTY配列はキーボードのアルファベット部分を最上段左から読むと「Q」「W」「E」「R」「T」「Y」の順で並んでいます。
キーボードの配列が「QWERTY配列」になった理由は?
一見不規則な配列に見えるQWERTY配列なので「なぜアルファベット順じゃないのか」と疑問に思ったことはありませんか?
歴史をたどるとQWERTY配列は「タイプライター」のキーボード配列と同じです。
タイプライターとはキーボードを押すと長いアームが動いて紙にインクが印字されるという仕組みの機械です。
タイプライターがこの配列になった背景には2つの説があります。
理由1:タイプライターの故障を防ぐため
文章作成の際に使われていた機械で、早い速度で文字を打つとアームが絡んで紙詰まりが起きたり機械が故障することがありました。故障を防ぐためにあえて使用頻度が高かった「母音」の配置をばらけさせたのがこのQWERTY配列の起源だといいます。
PCの出現で現在ではタイプライターは使われなくなっていますが、タイプライターの名残りでキーボードにもQWERTY配列がそのまま起用されています。
理由2:メーカーのデモンストレーションのため
2つ目の説はQWERTY配列にするとある一文が打ちやすいからといわれています。
それが「TYPE WRITER QUOTE」=「タイプライターのお見積り」という言葉です。
キーボードの1列目だけで全文を打つことができるので、タイプライターを売りたいメーカーが顧客へのデモンストレーションを行う際に顧客にウケるものにしたという説です。
なぜ今もQWERTY配列が採用され続けるのか
QWERTY配列はタイピングスピードを上げたり、タッチタイピングするには不便な配列です。
しかしながらDvorak配列をはじめさまざまな新しい配列が作られては消えていっています。
現代でもQWERTY配列が多く起用されるのは、「時間」と「コスト」が理由と考えられています。
QWERTY配列が長く続いたことで、キーボードの配置が変わるとショートカットキーを覚え直すことになりますし、文字列が不規則なQWERTY配列に慣れてしまっている人が多いなかで、あらたな配列に移行するのは難しいと考える人も多く、QWERTY配列が採用され続けています。
キーボードの配列を覚えるには「ホームポジション」が重要!
QWERTY配列は規則性のない配列のため、暗記が難しいです。
頭で覚えようとするよりも手を動かしながら身体で覚えるほうが効率的です。
キーボードの配列を覚える一番の方法はタイピングの練習を継続することです。
タイピングは「運動性記憶(手続き記憶)」といわれていて、ピアノや自転車と同じように、座学ではなく実践で記憶していきます。
その際に重要になるのが「ホームポジション」です。
ホームポジションとは、キーボード入力する際に決まっている基本の指の位置です。
ホームポジションを覚えることで、キーボードの配列が覚えられるだけでなく、最も早く、手の負担は少なくタイピングができる「ブラインドタッチ(タッチタイピング)ができるようになります。
キーボード配列の覚え方を3ステップで解説
ホームポジションを効率よく覚える方法を3つご紹介します。
ステップ1:指の配置を覚える
ホームポジションにおける基本の指の位置ですが、FおよびJのキーボードにだけついている小さな突起が目印です。
右人差し指は「J」、左人差し指は「F」に配置します。そこから順に残りの指を横に並べるとホームポジションに指が配置できます。
ホームポジション以外のキーボードについてもどの指を使うかは決まっていて、入力が終わったら再度ホームポジションに指の配置を戻すのが正しいタッチタイピングの方法です。
ステップ2:タイピングゲームを活用する
ホームポジションの位置を覚えたあとは、ホームポジションに戻ることを意識しながらタイピング練習していきます。
自分で文章を打ちながら覚えようとすると入力ミスに気付けなかったり、楽しくないと継続できないこともあります。
そのため、おすすめはタイピングゲームを活用することです。
レベル別になっていたり、スコアが出ることで初心者から上級者まで楽しく練習を継続できる工夫があります。
おすすめの無料タイピングゲームはこちらの記事で解説しています。
有料タイピングゲームの場合はさらに機能が充実しています。有料タイピングゲームのおすすめについてはこちらの記事で解説しています。
ステップ3:印字なし(無刻印)キーボードを活用する
ホームポジションに忠実にタイピングゲームができず、どうしても目でキーボードの配列をを確認しながらタイピングしてしまう方には「印字なし(無刻印キーボード)」がおすすめです。
印字なし(無刻印)キーボードとは、文字が書かれていないキーボードのことです。
自分でキーボードにシールを貼って作成することができます。
文字が書いてあるキーボードを頼りにタイピングしてしまうなら、文字をなくせば良い、というシンプルな考えで生み出されました。
テープを貼りたくないという方に向けて、「印字なし(無刻印)キーボード」も販売されています。
まとめ
「QWERTY配列」はタイプライターの配列と同じで、ばらばらにアルファベットが配置されています。
そのため、キーボードの配列を覚える際は、ホームポジションを意識し手を動かしながら覚えていく方法がおすすめです。
現代でも新しいキーボード配列の研究はされていますが、多くの人に馴染み深いQWERTY配列はこれからもしばらくは一番多く使われるキーボード配列になるでしょう。
社会人にとって必要不可欠であるタイピングスキルを身につけるためにさまざまな方法で練習を継続し、配列を覚えましょう。
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