「休みの日に1時間まとめて練習させたけど、次の日にはもうやりたがらない」。子どものタイピング練習で、よく聞く悩みです。

研究所がすすめているのは、1日10分を毎日です。1時間を週に1回より、10分を毎日のほうが、指がキーの場所を忘れにくくなると研究員は考えています。文部科学省が紹介している学校の事例にも、朝の10分間をタイピング練習にあてている学校があります。

ここでは、10分の中身の分け方と、続けるための工夫を紹介します。

なぜ1日10分なの?

研究員が1日10分をすすめる理由は、次の3つです。

  • 集中が切れる前に終われる:タイピングは、同じ動きを何度もくり返す練習です。長くやるほど雑になり、ミスが増えやすくなります
  • 毎日の予定に入れやすい:10分なら、宿題のあとや夕ごはんの前など、すき間に入ります
  • 「もう少しやりたい」で終われる:物足りないくらいで終わると、次の日も始めやすくなります

大人の研究員でも、44歳で練習を始めてから、ひととおり打てるようになるまでに約3か月かかりました。一度で身につくものではないので、短くても続けられる形にしておくことが大切だと感じています。

10分の中身はどう分ける?

10分を、次のように分けるのがおすすめです。

時間やることねらい
最初の2分ホームポジションに指を置き、A・S・D・F/J・K・L のキーをゆっくり打つ指の位置をたしかめる
次の6分練習ソフトやゲームで打つ楽しく打つ量をふやす
最後の2分点数やミスの数を記録する伸びを見えるようにする

最初の2分は、速さを気にしなくてかまいません。手元を見ずに、正しい指で打つことだけを意識します。ホームポジションの置き方は「ホームポジションの覚え方」で図つきで紹介しています。

真ん中の6分は、寿司打やポップタイピングなど、子どもが好きなゲームで大丈夫です。家でゲームを使うときのコツは「寿司打・ポップタイピングを家で遊ぶコツ」にまとめました。

いつ練習するのがいい?

毎日同じタイミングにする

「宿題が終わったら10分」「夕ごはんの前に10分」のように、毎日の流れの中に決まった場所をつくると、声をかけなくても始めやすくなります。

寝る前は避ける

文部科学省の「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」(令和4年3月改訂版)には、寝る前に強い光を浴びると寝つきが悪くなる可能性があり、寝る1時間前からはデジタル端末の使用を控えることがすすめられています。夜に練習するなら、寝る時間から逆算して早めに終わらせましょう。

長く練習したいときの休み方

子どもが「もっとやりたい」と言うときは、もちろん続けてかまいません。そのときは、同じガイドブックにある次の目安を守りましょう。

  • 30分に1回は、20秒以上、画面から目を離して遠くを見るなどして目を休める
  • 目と画面の距離は、30cm 以上離す
  • 机と椅子の高さを、子どもの体に合わせる

研究員は、指や手首が疲れてきたら、時間に関係なく一度休むのがよいと考えています。疲れたまま打つと、力が入って打ち方が崩れやすくなるからです。疲れにくい打ち方は「タイピングで指が痛い・疲れる原因と対策」で紹介しています。

毎日続かないときの工夫

できなかった日があっても気にしない

毎日といっても、習いごとや行事でできない日はあります。1日あいたら、次の日にまた10分やれば大丈夫です。「昨日やらなかったから今日は20分」と取り返そうとすると、練習が重荷になります。

5分だけでもいい日をつくる

疲れている日は「今日は5分だけ」でもかまいません。キーボードに触れる日を切らさないことが、指の記憶をつなぎます。

記録を目に見える場所に貼る

練習した日に印をつけるだけでも、子どもは続けた日数がうれしくなります。点数を書きこめる記録表を、冷蔵庫や机の前に貼っておきましょう。

子どものタイピング練習の時間についてよくある質問

1. 小学生は1日何分くらい練習すればいいですか?

研究所では、1日10分を目安にしています。時間の長さより、毎日続けることを大事にしてください。

2. 休みの日にまとめて練習してもいいですか?

かまいませんが、まとめて長くやるより、毎日少しずつのほうが続けやすいです。長く練習するときは、30分に1回は20秒以上、画面から目を離して休みましょう。

3. どのくらい続けたら打てるようになりますか?

子どもによって大きく差があるので、決まった期間はありません。大人の研究員は、44歳で練習を始めて約3か月でひととおり打てるようになり、手元を見るクセが抜けるまでに約半年かかりました。

4. スマホやタブレットの画面のキーボードで練習してもいいですか?

画面のキーボード(フリック入力など)と、パソコンのキーボードでは、指の動かし方がちがいます。学校のパソコンやキーボードでの入力に備えるなら、キーボードで練習しましょう。

まとめ

  • 子どものタイピング練習は、1日10分を目安に、毎日続ける
  • 10分は「指の位置の確認2分・ゲーム6分・記録2分」に分けると練習になる
  • 寝る1時間前からは端末を使わない。長く続けるときは30分に1回は目を休める
  • できない日があっても、次の日にまた10分やれば大丈夫

今日の10分は、研究所の「練習ゲーム」から始めてみてください。