「学校でタブレットを使っているみたいだけど、うちの子はちゃんとキーボードで打てているのかな」。子どもが端末を持ち帰ってくるようになると、そんな心配がわいてきます。

文部科学省の調査では、小学5年生がキーボードで1分間に打てる文字数は、平均15.8文字でした(情報活用能力育成のためのアイデア集、令和5年3月)。1分間に5文字以下の子も17.6%いて、打つ速さには大きな差があります。

学校の授業だけでは、練習の量が足りない子もいます。家で親ができることを、5つにしぼって紹介します。

学校ではタイピングをどう習うの?

ローマ字は3年生で習う

小学校では、ローマ字を3年生の国語で習います。パソコンやタブレットのキーボードで日本語を打つときは、多くの場合このローマ字を使って入力します(ローマ字入力)。

小学校の学習指導要領の解説にも、各教科の中で「児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動」を計画的に行うことが書かれています。

練習の進め方は学校によってちがう

ただ、タイピングにどれくらい時間をかけるかは、学校やクラスによってちがいます。文部科学省が紹介している学校の事例には、朝の10分間をタイピング練習にあてて、休み時間などのすき間にも練習するよう声をかけたというものがあります(StuDX Style「ローマ字テストとタイピング」)。

こうした時間がある学校もあれば、授業の中で少し触れるだけの学校もあります。家での練習が、その差を埋める役目をします。

小学生はどのくらい打てればいい?

さきほどの調査(令和4年1〜2月に実施)では、キーボードで1分間に打てる文字数の平均は、次のとおりでした。

学年1分間に打てる文字数(平均)
小学5年生15.8文字
中学2年生23.0文字
高校2年生28.4文字

国は、この平均を令和8年度までに小学校で40文字、中学校で60文字に上げることを目標にしています(同じ資料より)。今の平均とくらべると、かなり高い目標です。

とはいえ、家で目指すのは「平均より速く」ではなく、「手元を見ずに、正しい指で打てる」ことです。研究員は、速さは正しい打ち方が身についてから後からついてくるものだと考えています。速さの目安は「小学生のタイピング練習おすすめアプリ10選」でもくわしく紹介しています。

家で親ができる5つのこと

1. ローマ字表をそばに置く

ローマ字をまだ覚えきれていない子は、「し」や「つ」で手が止まります。そのたびに教科書を探していると、練習のリズムが崩れてしまいます。

パソコンの横に、ローマ字の一覧表を貼っておきましょう。当サイトの「ローマ字入力表」は、印刷してそのまま使えます。

2. ホームポジションと「AIUEO」から始める

ホームポジションは、キーボードの上に指を置く決まった位置です。左手の人さし指を F、右手の人さし指を J に置き、そこから指を伸ばして打ちます。

文部科学省の資料には、ローマ字入力では母音を打つ回数が多いので、ホームポジションから「あいうえお(AIUEO)」の位置を意識して練習するとよいと書かれています。最初の数日は、A・I・U・E・O の5つのキーを、手元を見ずに打てるようにするだけで十分です。指の置き方は「ホームポジションの覚え方」で図つきで紹介しています。

3. 1日10分、決まった時間に打つ

長い時間よりも、毎日続けることが大事です。研究所では、1日10分を目安にしています。宿題のあと、夕ごはんの前など、時間を決めておくと声をかけやすくなります。練習時間の考え方は「子どものタイピング練習は1日何分?」にまとめました。

4. 記録をつけて、伸びを見えるようにする

タイピングは、うまくなっていることが自分では分かりにくい練習です。ゲームの点数やミスの数を、日付といっしょに紙に書いておくと、1週間後、1か月後に伸びが見えます。

学校の事例でも、練習の結果を記録して、文字数の伸びを確かめる方法が紹介されています。家なら、冷蔵庫に貼った紙に書くだけでもかまいません。

5. 学校で使っているソフトを聞いてみる

子どもに「学校ではどんなタイピングの練習をしているの?」と聞いてみてください。学校と同じソフトやゲームを家でも使えば、子どもは迷わずに練習できます。

学校の端末を家に持ち帰っている場合は、家で使ってよいアプリや時間が学校で決められていることがあります。学校のルールを確かめてから使いましょう。

親が気をつけたいこと

研究員は、次の3つは避けたほうがよいと考えています。

  • きょうだいや友だちと速さを比べる:打つ速さは子どもによって差が大きく、比べられると練習がいやになりやすい
  • 横から手を出して打ってあげる:待つのがもどかしくても、子どもの指で最後まで打たせる
  • 手元を見るたびに注意する:最初は見てしまって当たり前。ローマ字表を見るように声をかけるほうが伝わりやすい

研究員自身、44歳でタッチタイピングを始めてから、手元を見るクセが抜けるまで約半年かかりました。大人でも時間がかかるものなので、子どもにも長い目で付き合うのがよいと感じています。

学校のタイピングと家での練習についてよくある質問

1. 学校でタイピングを習うのは何年生からですか?

学校によってちがいます。ローマ字は3年生の国語で習うので、3年生ごろから本格的にキーボードを使う学校が多いと考えられます。気になる場合は、学校に聞いてみてください。

2. 家にパソコンがなくても練習できますか?

学校の端末を持ち帰っているなら、学校のルールの範囲で練習できます。キーボードを外付けして使う端末なら、家でもキーボードを取り付けて練習しましょう。文部科学省の資料にも、外付けの端末でもキーボードを付けて練習し、練習量に差が出ないようにすることが書かれています。家で練習用のキーボードを用意するときは「子どものタイピング練習用キーボードの選び方」を参考にしてください。

3. 小学生は1分間に何文字打てればいいですか?

文部科学省の調査では、小学5年生の平均は1分間に15.8文字でした。国は令和8年度までに40文字にする目標をかかげています。家では数字にこだわりすぎず、正しい指で打てるかを見てあげてください。

4. 親がタイピングを教えられなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。親が速く打てなくても、練習の時間をつくる、記録を見てほめる、といった手助けはできます。親子でいっしょに練習するやり方は「親子でタイピング練習をするコツ」で紹介しています。

まとめ

  • ローマ字は3年生で習い、学校ではキーボードで文字を打つ学習が行われている
  • 文部科学省の調査では、小学5年生の平均は1分間に15.8文字。子どもによる差が大きい
  • 家では、ローマ字表・ホームポジション・1日10分・記録・学校との共有の5つから始める
  • 速さを比べるより、毎日続けられる形を整えるのが親の役目

まずは「ローマ字入力表」を印刷して、パソコンの横に貼ってみてください。