会議の録音を聞き直してメモを作ると、会議と同じくらい時間がかかってしまう。「AIボイスレコーダー」は、その手間を減らすための録音機です。

録音した音声を、専用のアプリやサービスで文字起こしし、要約まで作ってくれます。たとえば PLAUD(プラウド)の公式ストアでは、本体を買うと毎月300分まで無料で文字起こしできると案内されています(PLAUD 公式・料金プラン、2026年10月時点)。

一方で、本体は数万円しますし、たくさん使うなら文字起こしの月額料金もかかります。買ってから「スマホで足りた」とならないように、違いと選び方を、公式サイトで確かめた情報だけで見ていきます。

AIボイスレコーダーとは?普通のICレコーダーとどう違う?

普通のICレコーダーは「録音するだけ」

これまでのICレコーダーは、音を録って、再生する機械です。会議の記録を文字にしたいときは、録音を聞きながら自分でキーボードで打ち直す必要がありました。

AIボイスレコーダーは「録音→文字起こし→要約」まで

AIボイスレコーダーは、録音した音声をインターネット経由で AI のサービスに送り、文字にしてくれます。たとえばオートメモ R・S は、本体で録音した音声を Wi-Fi でクラウドに送り、自動で文字起こしします。文字起こしした文章は Web ブラウザやスマホのアプリで確認・編集でき、Web ブラウザ版では AI が「決定事項」と「共有事項」に分けて要約します(オートメモ 専用ボイスレコーダー)。

つまり、機械そのものよりも、後ろにある文字起こしのサービスが主役だと考えると分かりやすいです。だからこそ、選ぶときは本体の値段だけでなく、文字起こしの料金プランまで見る必要があります。

スマホの録音アプリとの違いは?

スマホでも録音はできます。iPhone なら最初から入っている「ボイスメモ」で録音できます(Apple サポート:iPhoneのボイスメモで録音する)。また、オートメモにはスマホアプリ「オートメモ App」があり、専用の本体がなくても、スマホで録音して文字起こしまでできます。無料のお試しプランでは毎月1時間まで文字にできます(オートメモ App)。

それでも専用の機械を選ぶ理由は、主に次のようなところです。

  • ボタン1つで録音を始められ、スマホを机に出しておかなくてよい
  • 録音は本体だけでできるので、スマホの電池を気にしなくてよい(PLAUD はスマホとは別に録音すると案内しています)
  • 機種によっては、スマホの通話を録音できる(PLAUD の Plaud Note・Plaud Note Pro)

逆に言えば、「月に数回、会議を録るだけ」なら、スマホで十分なこともあります。研究員は、まずスマホで試して、不便を感じてから専用の機械を考えれば遅くないと考えています。

なお、話しながらその場で文字を入れる「音声入力」は、録音とは別の機能です。やり方は「スマホの音声入力のやり方」「パソコンの音声入力のやり方」で紹介しています。

AIボイスレコーダーでできること・できないこと

できること:文字起こし・要約・検索

公式サイトで確認できた主な機能は、次のとおりです。

  • 文字起こし:話した内容を文章にする。PLAUD は112言語、オートメモは72言語に対応
  • 話者の区別:PLAUD は「だれが話したか」をラベルで分ける機能がある
  • 要約:会議の要点をまとめる。PLAUD は要約のテンプレートを選べる
  • 検索・聞き直し:オートメモは文字をタップすると、そのあたりから音声を再生できる(オートメモ S・オートメモ App)

できないこと:そのまま使える議事録にはならない

AI の文字起こしは、話し方や部屋の音、専門用語によって聞き間違えます。オートメモの公式ページにも「文字起こしの精度は話し方や環境によって変わります」と書かれています(オートメモ App)。

人の名前や数字、社内でしか使わない言葉は、特に確認が必要です。AI が作るのは下書きで、最後に読み直して直すのは人の仕事です。この「直す」作業については、後半でくわしく書きます。

AIボイスレコーダーの選び方|買う前に見る6つのところ

1. 文字起こしの料金プランと無料枠

いちばん大事なのがここです。AIボイスレコーダーは、本体を買ったあとも、文字起こしの時間に上限があります。

  • PLAUD:無料の Starter プランで毎月300分。足りなければ有料の Pro(毎月1,200分)や Unlimited(無制限、1日最大24時間)
  • オートメモ:無料のお試しプランで毎月1時間。足りなければ有料のプレミアムプラン(毎月30時間)

自分が1か月に何時間くらい録音するのかを、先に数えておきましょう。週1回・1時間の会議なら月4時間ほどです。この場合、PLAUD の無料枠(300分=5時間)には収まりますが、オートメモの無料枠(1時間)では足りません。

2. 本体の価格

本体は、2026年10月時点の公式サイトで、オートメモ R が13,860円、PLAUD の機種は27,500円から(いずれも税込)です。本体が安くても、毎月の文字起こしにお金がかかれば、1年で見ると高くなることがあります。「本体+1年分のプラン」で比べるのがおすすめです。

3. 録音できる時間(電池の持ち)

1日に何本も会議がある人は、電池の持ちも比べてください。公式の数字では、Plaud Note が最大30時間の連続録音、オートメモ R が録音時で約12時間です。

4. 電話(通話)を録音できるか

電話の内容を記録したい人は、通話の録音に対応しているかを確かめます。PLAUD では、Plaud Note と Plaud Note Pro が通話の録音に対応しています。付属の MagSafe ケースに入れてスマホの背面に付けて録音します。Plaud NotePin・NotePin S は対面の録音だけです(Plaud Note 製品ページ)。

5. スマホ・パソコンのどのアプリで見るか

文字起こしの結果をどこで読むかも、使いやすさに関わります。

  • PLAUD:スマホの Plaud App(iPhone・Android)、Web ブラウザの Plaud Web、パソコン用の Plaud Desktop(デバイスを持っている人だけ)
  • オートメモ:Web ブラウザとスマホアプリ。使うには Wi-Fi と、Google アカウント・Apple ID・Microsoft アカウントのどれかが必要

議事録を仕上げるのはパソコンで、という人は、パソコンのブラウザで読めるかを確かめておくと安心です。

6. データの保存先

録音は会社の大事な情報を含みます。どこに保存されるかは、買う前に知っておきたいところです。

  • PLAUD:本体に64GBのストレージがあり、スマホのアプリに転送します。クラウド(PLAUD CLOUD)に上げるかどうかは選べて、使用料は無料と案内されています(PLAUD よくある質問)
  • オートメモ:録音は Wi-Fi でクラウドに保存されます。保存件数・期間の制限はないと案内されています

会社で使うときのルールは、このあとの「録音する前に気をつけること」で書きます。

PLAUD(プラウド)の特徴と使い方

PLAUD は、カード型やピン型のAIボイスレコーダーです。2026年10月時点の公式ストアでは、次の4機種が売られています。

機種価格(税込)通話の録音連続録音
Plaud Note Pro30,800円できる最大50時間(長時間駆動モード)
Plaud Note27,500円できる最大30時間
Plaud NotePin S28,600円できない(対面のみ)最長20時間
Plaud NotePin27,500円できない(対面のみ)最長20時間

出典:PLAUD 公式ストア、Plaud Note 製品ページの製品比較(2026-10-11 確認)

PLAUD の料金プラン

文字起こしのプランは次の3つです(個人向け、料金プラン、2026年10月時点)。

  • Starter:無料。毎月300分。デバイスを買えば追加料金なしで使える
  • Pro:毎月1,200分。年額一括払いで16,800円(税込、月あたり1,400円)、月払いなら月3,000円
  • Unlimited:文字起こし無制限(1日最大24時間)。年額一括払いで40,000円(税込)、月払いなら月5,000円

使わなかった時間は翌月に繰り越せません。文字起こしの時間を使い切っても、録音と再生はそのまま使えます。

PLAUD の使い方(基本の流れ)

公式のよくある質問によると、Plaud Note の基本の使い方は次のとおりです(PLAUD よくある質問)。

  1. スマホに Plaud App を入れ、アカウントを作って本体とつなぐ
  2. 録音ボタンを1秒長押しする。1回振動したら録音開始(通話のときは録音モードのスイッチを切り替える)
  3. もう一度1秒長押しして、2回振動したら録音終了
  4. 本体をアプリにつなぐと、録音が自動でアップロードされる
  5. アプリで文字起こし・要約を作る

録音のたびにスマホとつなぐ必要はなく、本体だけで録音できます。会議中はスマホを出さずに済むのが便利なところです。

PLAUD(AIボイスレコーダー)PLAUD公式サイトで見る

オートメモ(ソースネクスト)の特徴

オートメモは、ソースネクストの文字起こしサービスです。専用のボイスレコーダー「オートメモ R」「オートメモ S」と、スマホアプリ「オートメモ App」で使えます。

本体と文字起こしのプランは別に買う

オートメモは、本体(ボイスレコーダー)と、文字起こしのプランが別々に売られています。本体はソースネクストのサイトなどで買い、文字起こしのプランはオートメモのサイトやアプリで申し込みます。

文字起こしのプランは、2026年10月時点で次のとおりです(オートメモ 料金プラン、税込)。

  • お試しプラン:無料。毎月1時間。要約は1ファイル1回まで
  • プレミアムプラン:月1,480円(初月無料)、または年14,800円(一括)。毎月30時間、要約は無制限
  • 時間の追加:10時間1,980円・50時間9,900円(有効期限180日)

お試しプランは、録音したデータを見られる期間が7日間です。ただし、オートメモ R・S などの対象製品を登録した人は、お試しプランでも期限なしで見られると案内されています。

オートメモ R と S の違い

オートメモ Rオートメモ S
価格(税込)13,860円19,800円
画面で文字起こしを読むできない(スマホ・パソコンで読む)できる(2.83インチのタッチ画面)
録音時の電池約12時間約16時間
待機時の電池1か月以上120時間

出典:オートメモ 専用ボイスレコーダー(2026-10-11 確認)。どちらも集音距離は約5m、文字になるまでの時間は録音時間の3分の1程度が目安と案内されています。

録音するときは Wi-Fi につながっていなくても大丈夫です。録音が終わってクラウドに送るときに Wi-Fi が必要になります。

オートメモソースネクスト公式サイトで見る

PLAUD とオートメモはどっちがいい?

ここまでの公式の情報を、選ぶときの目安として並べます。

見るところPLAUDオートメモ
本体の価格(税込)27,500円〜30,800円13,860円・19,800円
無料の文字起こし毎月300分毎月1時間
通話の録音Note・Note Pro はできる公式ページで案内を確認できず
文字起こしの対応言語112言語72言語
録音を送る方法Bluetooth・Wi-Fi でスマホへWi-Fi でクラウドへ

研究員の考えでは、次のように分けると選びやすいです。

  • 電話の内容も記録したい・毎月の録音が多めの人:PLAUD。無料枠が大きく、Note は通話にも対応しています
  • 本体の値段を抑えたい・まずスマホアプリから始めたい人:オートメモ。オートメモ App で試してから、本体を足すこともできます

どちらにするか迷ったら、「1か月に何時間録音するか」と「電話を録るか」の2つで決めるのがいちばん失敗しにくいと考えています。

録音する前に気をつけること

便利な機械ですが、録音には相手がいます。次の2つは、どの機種を選んでも守ってください。

録音することを相手に伝える

会議や打ち合わせを録音するときは、始める前に「記録のために録音します」とひと言伝えましょう。PLAUD の公式サイトにも「録音を始める前に、参加者に録音する旨を伝え、同意を得てください」と書かれています(PLAUD 料金プランのページ)。黙って録音すると、相手との信頼を失うことがあります。

会社や学校のルールを確認する

会社によっては、会議の録音や、録音を外部のクラウドに保存することを禁止している場合があります。お客さまとの電話を録音してよいかも、職場によって決まりが違います。使い始める前に、上司や担当の部署に確認しておくと安心です。法律の扱いが気になるときは、自分で判断せず、会社の担当部署や専門家に相談しましょう。

文字起こしを直すのは、結局キーボード

AIボイスレコーダーを使っても、最後の仕上げは人の仕事です。聞き間違いを直す、人の名前を正しい漢字にする、話し言葉を読みやすい文に整える。これらは、ほとんどがキーボードでの作業になります。

ここで差が出るのが、手元を見ずに打てるかどうかです。画面の文章を見ながら直すとき、手元を見るたびに、どこを直していたのか分からなくなります。タッチタイピングができれば、画面から目を離さずに直せます。仕上げがずっと楽になると、研究員は考えています。

研究員も44歳からタッチタイピングの練習を始め、約3か月でひととおり打てるようになりました。手元を見るクセが抜けるまでには約半年かかっています。大人になってからでも、少しずつ練習すれば身につきます。練習の進め方は「キーボードを見ないで打つには?」で紹介しています。

会議の録音から議事録を仕上げるまでの流れは「会議の議事録をAIの文字起こしで楽にする方法」、声での入力とキーボードの分担は「音声入力とタイピングの使い分け」にまとめています。

AIボイスレコーダーについてよくある質問

1. AIボイスレコーダーは、本体を買えばずっと無料で使えますか?

無料の範囲で使えますが、文字起こしの時間には上限があります。2026年10月時点で、PLAUD は毎月300分、オートメモは毎月1時間までが無料です。それを超えると、有料のプランか時間の追加購入が必要です。

2. スマホの録音アプリではだめですか?

録音するだけなら、スマホのアプリでもできます。オートメモ App のように、スマホだけで録音から文字起こしまでできるアプリもあります。ボタン1つで録りたい、通話も録りたい、スマホを机に出したくない、という人には専用の機械が向いています。

3. PLAUD で電話の録音はできますか?

Plaud Note と Plaud Note Pro は通話の録音に対応しています。MagSafe ケースに入れてスマホの背面に付けて使います。Plaud NotePin・NotePin S は対面の録音だけです。

4. オートメモの本体だけ買えば、文字起こしも使えますか?

本体を買うと、無料のお試しプラン(毎月1時間)で使えます。それ以上使うときは、文字起こしのプランを別に申し込みます。本体と文字起こしのプランは別々に売られています。

5. AI の文字起こしは、そのまま議事録に使えますか?

そのままでは使えないことが多いです。聞き間違いや、人の名前・数字の誤りがあるので、読み直してキーボードで直す必要があります。

まとめ

  • AIボイスレコーダーは、録音した音声をアプリやサービスで文字起こし・要約してくれる録音機
  • 普通のICレコーダーは録音だけ。スマホでも録音や文字起こしはできるが、専用の機械はボタン1つで録れる・通話を録れる機種がある
  • 選ぶときは、文字起こしの無料枠と料金プラン、本体の価格、録音時間、通話の録音、使うアプリ、データの保存先を見る
  • PLAUD は無料枠が毎月300分で、Note・Note Pro は通話も録れる。オートメモは本体が安めで、本体と文字起こしのプランを別に買う
  • 録音するときは相手に伝え、会社のルールを確認する。文字起こしの仕上げはキーボードで直す

いきなり数万円の機械を買う前に、まずはスマホの録音アプリや無料の文字起こし(オートメモ App のお試しプランなど)で、次の会議を1回だけ録って文字にしてみてください。どのくらい直す手間があるか、毎月どれくらい録音するかが分かれば、自分に専用の機械が必要かどうかを判断できます。