キーボードで打つのがつらい日でも、Windows のパソコンなら Windows キー+H を押して話すだけで、文字が入ります。
Mac にも Google ドキュメントにも、音声入力が最初から入っています。別のソフトを買わなくても、今日から試せます。
ただし、声で入れた文章をそのまま使える場面は多くありません。名前の変換ちがいや句読点の位置は、最後にキーボードで直します。声で下書きして、キーボードで仕上げる。この組み合わせで使うのが、いちばん楽です。
※手順は、2026年10月11日に Microsoft・Apple・Google の公式ヘルプで確認した内容です。パソコンや OS のバージョンによって、画面の表示が少しちがうことがあります。
パソコンで音声入力をする前に、何を用意する?
3つとも、準備はほとんど同じです。
- マイク:ノートパソコンなら内蔵のマイクで始められます。デスクトップでマイクがない場合は、外付けのマイクやヘッドセットをつなぎます
- 文字を入れる場所:メモ帳・メール・Word などを開いて、文字を入れたい位置をクリックしておきます。カーソルがない場所では入力されません
- インターネット:Windows の音声入力は、インターネットにつながっていることが条件です(くわしくは次の節)
研究員がいちばん大事だと考えているのは、「1文だけ」から試すことです。最初から長い文章を話そうとすると、何を言うか考えているうちに止まってしまいます。
Windows の音声入力はどうやる?(Windows キー+H)
Windows 11 と Windows 10 には、どちらも「音声入力」が入っています。Microsoft の公式ヘルプ「音声入力を使用して、PC 上でタイプをする代わりに話す」の手順を、Windows 11 を中心に説明します。
始め方と止め方
- 文字を入れたい場所(テキストボックス)をクリックして、カーソルを置きます
- キーボードの Windows キー+H を押します(タッチキーボードなら、マイクのボタンを押します)
- 「聞き取り中…」と表示されたら、話し始めます
止めるときは、「音声入力を停止」などと言うか、音声入力のメニューにあるマイクのボタンを押します。
公式ヘルプには、使うための条件として「インターネットに接続している」「マイクが動く」「テキストボックスにカーソルがある」の3つが書かれています。Windows 11 の音声入力は、Microsoft の Azure Speech サービスを使った「オンラインの音声認識」です。インターネットがつながっていないと使えません。
Windows 10 も、同じく Windows キー+H で始められます。こちらもインターネットへの接続が必要と書かれています。
句読点と改行は、声で言って入れる
日本語では、「。」や改行を言葉で言って入れます。公式ヘルプの日本語の一覧から、よく使うものを抜き出しました。
| 入れたいもの | こう言う |
|---|---|
| 。 | 「句点」 |
| 、 | 「読点」 |
| 改行 | 「改行」「次の行」「新しい段落」 |
| ? | 「疑問符」「はてなマーク」 |
| ! | 「びっくりマーク」「感嘆符」 |
| 「 」 | 「かぎかっこ開く」「かぎかっこ閉じる」 |
たとえば「よろしくお願いします」のあとに「句点」と言えば、文の最後に「。」が入るしくみです。
言い間違えたときは、「それを削除」と言うと、最後に話した言葉が消えます。ほかに、「Enter キーを押す」「BackSpace キーを押す」なども、声で言える操作として載っています。
設定:句読点の自動挿入・使うマイク
音声入力の小さな画面に出る歯車のアイコンから、次の設定を変えられます。
- 自動句読点:話した内容に合わせて、句読点を自動で入れる設定です
- 既定のマイク:マイクが2つ以上あるときに、どれを使うかを選びます
自動句読点が日本語でどのくらい入るかは、公式ヘルプには書かれていません。オンにして試し、足りないところは「句点」「読点」と言って補うと確実です。
なお、Copilot+ PC の「流動ディクテーション」(文法や句読点、「えーと」などのつなぎ言葉を自動で直す機能)は、公式ヘルプでは英語で使える機能として案内されています。日本語で話すときは、ふつうの音声入力として使うことになります。
対応している言語と、言語の切り替え
公式ヘルプの「Windows 11 で音声入力がサポートされている言語」の一覧に、日本語が入っています。
音声入力の言語は、そのとき使っている入力言語と同じになります。日本語で話しているのに英語で入るときは、タスクバーの隅の言語の表示を選ぶか、Windows キー+Space キーで日本語に切り替えます。
Mac の音声入力はどうやる?
Mac の音声入力は、Apple の公式ユーザガイド「Macでメッセージや書類を音声入力する」の手順で使います。Windows とちがい、最初に設定でオンにするところから始まります。
音声入力をオンにする
- アップルメニュー >「システム設定」を選び、サイドバーの「キーボード」をクリックします
- 「音声入力」をオンにして、「有効にする」をクリックします
- 「Siriと音声入力を改善したいか」と聞かれたら、「オーディオ収録を共有」か「今はしない」を選びます
始め方と止め方
- 文字を入れたいアプリで、入力する位置をクリックします
- 次のどれかで音声入力を始めます
- ファンクションキーの列にマイクキーがあれば、押して放す(押したままにすると Siri が起動します)
- 「キーボード」設定で決めた音声入力のショートカットを押す
- メニューの「編集」>「音声入力を開始」を選ぶ
- カーソルが強調表示されて点滅するか、発信音が鳴ったら話します
止めるときは、Escape キー、マイクキー、または音声入力のショートカットを押します。30秒間、音声が検出されないと自動で止まります。
ショートカットを自分で決める
「キーボード」設定の「音声入力」にある「ショートカット」のメニューから、音声入力を始めるキーを選べます。一覧にない組み合わせにしたいときは、「カスタマイズ」を選んで、使いたいキーを押します(公式の例は Option+Z)。
マイクキーのない Mac では、このショートカットを1つ決めておくと始めやすくなります。
句読点と改行の入れ方
Mac では、対応している言語なら、句読点が話しながら自動で入ります。Apple の「macOSで利用できる機能」のページで、音声入力と自動句読点の両方に「日本語(日本)」が入っていることを確認しました。自動句読点は、「キーボード」設定の「音声入力」でオフにもできます。
自分で入れたいときは、次のように言います。
- 句読点の名前を言う(公式の例:「感嘆符」)
- 「次の行」:Return キーを1回押したのと同じ
- 「次の段落」:Return キーを2回押したのと同じ
聞き取りがあやしい言葉は、クリックして直せる
Mac では、うまく聞き取れなかった言葉に青い下線が引かれます。下線の言葉をクリックすると、ほかの候補を選べます。キーボードで正しく打ち直してもかまいません。
Apple シリコンを搭載した Mac では、話している途中でもキーボードで打てます。音声入力を止めなくても、打ち終わると続きを声で入れられます。
Google ドキュメントの音声入力はどうやる?
Google ドキュメントには、ドキュメントの中だけで使える音声入力があります。Google の公式ヘルプ「音声で入力、編集する」の手順です。
使えるブラウザ
公式ヘルプでは、Chrome・Edge・Safari の最新版で動くと書かれています。古いブラウザのままだと使えないことがあるので、うまくいかないときはブラウザを最新にします。
会社や学校のアカウントでは、管理者がこの機能を止めていることがあります。メニューに見当たらないときは、管理者に確認してください。
始め方と止め方
- 対応するブラウザで、Google ドキュメントのドキュメントを開きます
- メニューの「ツール」→「音声入力」をクリックします。マイクの小さなボックスが出ます
- 話す準備ができたら、マイクをクリックして話します
- 終わったら、もう一度マイクをクリックします
話し方について、公式ヘルプには「通常の音量と速度ではっきりと話します」とあります。
句読点・音声コマンドの注意
句読点を入れるコマンドとして、「ピリオド」「カンマ」「感嘆符」「疑問符」「改行」「新しい段落」が載っています。ただし、一部の言語では句読点を使えない場合があると書かれていて、日本語で「。」「、」がどう入るかは書かれていません。句読点は、あとでキーボードで足すつもりでいると気が楽です。
「段落を選択」「太字」のような編集・書式の音声コマンドは英語だけです。アカウントとドキュメントの両方の言語を英語にする必要があります。日本語で使うときは、「話して入れる」ところまでを音声で、書式はマウスやキーボードで、と分けて考えます。
話している途中でも直せる
間違えたところにカーソルを動かせば、マイクをオンにしたまま直せます。直したら、続きを入れたい位置にカーソルを戻します。灰色の下線が付いた言葉を右クリックすると、候補の一覧も出ます。
Google ドキュメントで速く書くためのショートカットは、「Googleドキュメントで効率よく文章を作るタイピングのコツ」で説明しています。
Windows・Mac・Google ドキュメントの音声入力のちがい
3つのちがいを表にまとめました(2026年10月時点の公式ヘルプより)。
| Windows | Mac | Google ドキュメント | |
|---|---|---|---|
| 始め方 | Windows キー+H | マイクキー、ショートカット、「編集」>「音声入力を開始」 | 「ツール」→「音声入力」 |
| 最初の設定 | なし | 「キーボード」設定で音声入力をオン | なし |
| 使える場所 | カーソルのあるテキストボックス | 文字を入力できる場所ならどこでも | Google ドキュメントの中(スライドのスピーカー ノートも可) |
| 句読点 | 「句点」「読点」と言う。自動句読点の設定あり | 日本語は自動句読点に対応。名前を言っても入る | 句読点のコマンドは一部の言語で使えない場合あり |
| インターネット | 必要 | 必要な場合がある(「キーボード」設定で確認できる) | ブラウザで Google ドキュメントを開いて使う |
Word やメールでも使いたいなら、Windows か Mac の音声入力を使います。
音声入力がうまくいかないときは?
公式ヘルプに書かれている確認先を、症状ごとにまとめました。
声にまったく反応しない
- Windows:「スタート」>「設定」>「システム」>「サウンド」の「入力」で、マイクが表示されているかを見ます。マイクを選んで「プロパティ」を開き、「テストを開始」で声が入るかを試せます。入力ボリュームもここで調整します(Windows でマイクを設定してテストする方法)
- Mac:「キーボード」設定で音声入力がオンになっているか、正しいショートカットを押しているかを確かめます。外付けのマイクなら、「サウンド」設定の「入力」で選ばれているか、入力音量が足りているかを見ます(Macの音声入力が正常に動作しない場合)
- Google ドキュメント(Chrome):Chrome がそのサイトにマイクを許可しているかを確かめます。「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「サイトの設定」>「マイク」で確認・変更できます。パソコン側の設定で Chrome のマイクがオフになっていると、許可を求められることもあります(Chrome でカメラとマイクを使用する)
ヘッドセットのコードに付いたミュートのスイッチや、マイクがほかのアプリで使われていないかも確認しましょう。
聞き取りがまちがいだらけになる
Apple と Google の公式ヘルプには、次のような対策が書かれています。
- 静かな部屋に移る。後ろで音を立てない
- 小さすぎず、大きすぎない声で、はっきり話す
- 服や手でマイクをふさがない(ノートパソコンの内蔵マイクの位置を確かめる)
- 騒がしい部屋や響く部屋では、外付けのマイクやヘッドセットを使う
まずは静かな場所で1文だけ試して、そこで正しく入るかを確かめると、マイクの問題か、周りの音の問題かを切り分けやすくなります。
句読点が入らない・改行されない
Windows では「句点」「読点」「改行」、Mac では句読点の名前や「次の行」「次の段落」と、声で言うのが基本です。Mac の自動句読点は、「キーボード」設定の「音声入力」でオフになっていないかを見てください。
英語や別の言語で入ってしまう
Windows は入力言語が日本語になっているか(Windows キー+Space)、Mac は「キーボード」設定の「音声入力」の「言語」で日本語が選ばれているかを確かめます。
声で入れた文章は、キーボードで直すと早い
3社の公式ヘルプを並べてみると、どれにも入れたあとに直す方法が書かれています。Mac は青い下線をクリックして直す、Google ドキュメントはカーソルを動かして直す、Windows は「それを削除」と言って消す。声だけで完ぺきな文章を作るより、下書きは声、仕上げはキーボードと分けたほうが、迷わずに済みます。
直すときによく出てくるのは、次のような作業です。
- 人の名前や会社名の変換ちがいを打ち直す
- 句読点の位置を変える、足りない「、」を足す
- メールアドレス・数字・記号を正しく入れる
- 段落を入れ替える、いらない言葉を消す
どれも、数文字を打つ・消す・カーソルを動かすだけの短い作業です。ここで毎回キーボードを見ながら1文字ずつ探していると、直しのほうに時間がかかってしまいます。
研究員は44歳からタッチタイピングを練習し、約3か月でひととおり打てるようになりました。音声入力とタイピングは、どちらかを選ぶものではなく、両方使えると強いと研究員は考えています。どんな場面でどちらを使うかは、「音声入力とタイピングの使い分け」でくわしく説明しています。手元を見ずに直せるようになりたい人は、「キーボードを見ないで打つには?」も参考にしてください。
カーソル移動やコピーに使うキーは、「ショートカットキー一覧」を印刷して手元に置いておくと便利です。
標準の音声入力で足りないと感じたら
毎日たくさん声で入力する人や、標準の機能では物足りない人には、有料の音声入力ソフトという選択肢もあります。
ソースネクストの「いきなりAI 音声タイピング」は、Word・メール・チャット・ブラウザなど、ふだん使うアプリのカーソル位置に、話した内容を入れるソフトです。公式サイトで確かめられた、標準の機能とのちがいは次のとおりです(2026年10月11日確認)。
- オフラインでも使える:Windows の標準の音声入力はオンラインの音声認識ですが、このソフトはインターネットにつながっていなくても音声入力ができます(Pro だけの機能を使うときはインターネットが必要)
- 「えーと」などを取り除く:フィラー(つなぎ言葉)の除去と、句読点・改行の処理が、Pro と Basic の両方に入っています
- Pro は文章の整え方まで指定できる:言い直しの自動補正、専門用語や社内用語を登録できるカスタム辞書・定型文、「ですます調にして」のようなカスタム指示が使えます
対応 OS は Windows 11/10 と macOS Tahoe(26)・Sequoia(15)で、Mac は Apple シリコン(M1 以降)専用です。Intel の Mac には対応していません。1ライセンスで3台のパソコンに入れられます。
月額・年額などのプランがあり、料金は変わることがあります。個人向けの無料体験は公式ページに書かれていません。最新の料金と動作環境は、公式サイトで確かめてください。
まずは標準の機能で試して、「毎日使いたい」と感じてから検討すれば十分です。スマホで声を入れたい人は「スマホの音声入力のやり方とコツ」、会議の記録を楽にしたい人は「会議の議事録を AI の文字起こしで楽にする方法」もどうぞ。
パソコンの音声入力についてよくある質問
1. パソコンの音声入力に、別のソフトは必要ですか?
Windows の音声入力(Windows キー+H)、Mac の音声入力、Google ドキュメントの音声入力は、どれも OS や Google ドキュメントに最初から入っている機能です。別のソフトを買わなくても使えます。
2. インターネットにつながっていなくても使えますか?
Windows の音声入力は、公式ヘルプでインターネットへの接続が条件とされています。Mac は「インターネット接続が必要な場合がある」とされ、「キーボード」設定で確認できます。
3. 「。」や改行はどうやって入れますか?
Windows では「句点」「読点」「改行」と声で言います。Mac は日本語の自動句読点に対応していて、「次の行」「次の段落」で改行できます。Google ドキュメントは、日本語の句読点の入り方が公式ヘルプに書かれていないため、あとでキーボードで足すと確実です。
4. Google ドキュメントの音声入力は Chrome 以外でも使えますか?
公式ヘルプでは、Chrome・Edge・Safari の最新版で動くと案内されています。
5. 音声入力があれば、タイピングの練習はいりませんか?
声で入れた文章は、名前の変換ちがいや句読点、記号などをキーボードで直す必要があります。下書きは声、仕上げはキーボードと分けると、両方の良いところを使えます。
まとめ
- Windows は、文字を入れたい場所をクリックして Windows キー+H。インターネットへの接続が必要
- Mac は、「キーボード」設定で音声入力をオンにしてから、マイクキーか音声入力のショートカットで始める
- Google ドキュメントは、Chrome・Edge・Safari の最新版で「ツール」→「音声入力」
- 句読点や改行は「句点」「改行」のように声で言うのが基本。Mac は日本語の自動句読点に対応
- 反応しないときはマイクの設定と許可、まちがいが多いときは静かな場所と話し方を見直す
- 声で入れた文章の仕上げはキーボードで。両方使えると、文章を書くのがぐっと楽になる
まずは自分のパソコンで Windows キー+H(Mac はマイクキーか音声入力のショートカット)を押して、1文だけ話してみてください。