「キーボードの配列がなかなか覚えられない」「どこに何のキーがあるのか、いつも探してしまう」という悩みは、タッチタイピングを始めたばかりの人なら誰もが通る道です。44歳でタッチタイピングの練習を始めた研究員も、最初はキーを1つ探すたびに手元をのぞきこんでいました。

キーボード配列は、アルファベット順ではないので、頭で丸暗記しようとするとなかなか覚えられません。この記事では、段ごとの語呂合わせ、ローマ字入力でいちばんよく使う母音のキーから覚えるコツ、そして覚える順番の4ステップを、図を使ってやさしく解説します。

キーボード配列は「頭」より「指」で覚える

キーボード配列を覚えるいちばんの近道は、頭で暗記するのではなく、指に覚えさせることです。

自転車の乗り方や、よく行くお店までの道順は、いちいち考えなくても体が覚えていますよね。タイピングも同じで、「Kのキーはどこだったかな」と考えなくても、「く」と思ったら指が自然に動く状態を目指します。

そのために大切なのが、次の2つです。

  • どのキーを、どの指で打つかを決めておく(指の担当を守る)
  • キーを探すときに手元を見ない(目で探すと、指が覚えてくれません)

語呂合わせは、最初の「どこにあったっけ?」を減らすための助けとして使い、実際には指を動かしながら覚えていきましょう。

語呂合わせでキーボード配列を覚える

アルファベットの並びを覚えるとっかかりとして、段ごとの語呂合わせを紹介します。タッチタイピング研究所で考えた覚え方の一例です。声に出して唱えながら、その段のキーを左から順に打ってみてください。

キーボードの上の段・まん中の段・下の段のアルファベットと、それぞれの語呂合わせ

上の段:「クワーティ・ういおっぷ」(QWERTY/UIOP)

上の段の左から6文字「Q・W・E・R・T・Y」は、そのまま「QWERTY(クワーティ)配列」という、キーボード配列の名前になっています。残りの右側「U・I・O・P」は「ういおっぷ」と読んで覚えましょう。

上の段には、ローマ字入力でよく使う母音の E・U・I・O がそろっているので、いちばん大事な段ともいえます。

まん中の段:「朝だ ふぐ・はじける」(ASDFG/HJKL)

まん中の段は、左手が「A・S・D・F・G」で「朝(あさ)だ ふぐ」、右手が「H・J・K・L」で「はじける」です。

この段は、指を置く定位置「ホームポジション」がある段です。F と J のキーには小さな突起があり、ここに左右の人差し指を置きます。ホームポジションのくわしい置き方は「ホームポジションとは?正しい指の置き方と練習法」で解説しています。

下の段:「ズクシブ・ばんめ」(ZXCV/BNM)

下の段の左側「Z・X・C・V」は、パソコンでよく使うショートカットキーの段です。Ctrl キーといっしょに押すと、Windows では次のような操作になります(Mac では Command キーといっしょに押します)。

  • Z:元に戻す
  • X:切り取り
  • C:コピー
  • V:貼り付け

「元に戻す・切り取り・コピー・貼り付け」の順に並んでいると覚えると、配列とショートカットを一度に覚えられます。右側の「B・N・M」は「ばんめ(し)」と覚えましょう。よく使うショートカットキーは「ショートカットキー早見表」にまとめています。

ローマ字入力なら「母音」の5つのキーから覚える

日本語をローマ字入力で打つなら、まず覚えたいのが A・I・U・E・O の母音のキー です。「か(KA)」「し(SI)」「つ(TU)」のように、ほとんどのひらがなは「子音+母音」で打つので、母音の位置が指に入ると、打てる文字が一気に増えます。

ローマ字入力で使う母音A・I・U・E・Oのキーの位置と担当する指

母音キーの場所打つ指
A(あ)まん中の段のいちばん左左手の小指
I(い)上の段の右側右手の中指
U(う)上の段の右側右手の人差し指
E(え)上の段の左側左手の中指
O(お)上の段の右側右手の薬指

A 以外の4つは上の段にあり、そのうち I・U・O の3つは右手が受け持ちます。「あいうえお」と声に出しながら、A→I→U→E→O を何度も打ってみてください。母音が打てるようになったら、「か行(K)」「さ行(S)」「た行(T)」のように、子音を1つずつ足していきます。

ローマ字の打ち方を一覧で確認したいときは、印刷できる「ローマ字入力表」も使えます。

キーボード配列を覚える順番【4ステップ】

配列は、全部を一度に覚えようとすると混乱します。次の順番で、1つの段に1〜3日くらいかけて、少しずつ広げていきましょう。

キーボード配列を覚える順番。まん中の段、上の段、下の段、数字と記号の段の4ステップ

ステップ1:まん中の段(ホームポジション)

F と J に人差し指を置き、残りの指を横に並べます。この段の「A・S・D・F/J・K・L・;」は、指を置いたまま打てるキーです。指を置く場所が決まると、ほかのキーも「定位置から上へ」「定位置から下へ」と考えられるようになります。

ステップ2:上の段(母音の多い段)

母音の E・U・I・O があるので、ここまで覚えると打てるひらがなが一気に増えます。打ったら必ずホームポジションに指を戻すのがポイントです。

ステップ3:下の段

下の段には、「ん」を打つ N や、「ま行」の M があります。指を下に曲げる動きは少し打ちにくいので、あせらずゆっくり練習しましょう。

ステップ4:数字と記号の段

数字と記号は、ひらがながひととおり打てるようになってからで十分です。最初から全部を覚えようとしなくて大丈夫です。

段ごとの練習には、当サイトの「無料のタイピング練習ゲーム」が使えます。次に押すキーと使う指を色で案内してくれるので、手元を見ずに配列を覚える練習にぴったりです。

配列表を手元ではなく「目の前」に置く

覚えている途中で、キーの場所がわからなくなることはよくあります。そんなときに手元を見てしまうと、指ではなく目で探すクセがついてしまいます。

おすすめは、キーボード配列表を印刷して、モニターの横に貼っておくことです。わからなくなったら配列表を見て、指は手元を見ずに動かします。目線が画面の近くにあるので、手元を見るクセがつきません。

当サイトの「キーボード配列表」は、どのキーをどの指で打つかを色分けしたA4のPDFで、無料でダウンロードできます。日本で売られているパソコンに多いJIS配列と、US配列の2種類があります。

指の担当を色分けしたJIS配列のキーボード配列表

どうしても覚えられない人は「手元を見るクセ」を疑う

練習しているのに配列が覚えられない人の多くは、キーを探すときに手元を見てしまっていることが原因です。目で見れば打てるので、指が覚える必要がなくなってしまうのです。

研究員も、手元を見るクセがなかなか抜けませんでした。練習を始めて約3か月でひととおり打てるようになりましたが、手元を見るクセが完全に抜けるまでには約半年かかっています。

手元を見るクセを直すには、キーの文字を見えなくしてしまうのがいちばんの近道です。今のキーボードの文字を隠す方法は「キーボードの印字を消す方法5選」で紹介しています。研究所では、配列を覚えるための練習用に、文字の印字を減らした「半無刻印キーボード」も作りました。

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キーボード配列の覚え方についてよくある質問

1. キーボード配列は、どのくらいで覚えられますか?

人によって大きく違います。研究員の場合は、毎日練習を続けて、約3か月でひととおりキーボードを見ずに打てるようになりました。1日数分でも、毎日続けることが大切です。

2. 語呂合わせだけで覚えられますか?

語呂合わせは「どこにあったっけ?」を減らすとっかかりにはなりますが、それだけで打てるようにはなりません。語呂合わせで場所の見当をつけたら、指を動かして覚えていきましょう。

3. なぜキーボードはアルファベット順に並んでいないのですか?

今のキーボードの「QWERTY配列」は、タイプライターの時代から使われてきた並びです。由来には諸説あり、「キーボードの配列が不規則な理由は?」でくわしく紹介しています。

4. 配列表は印刷したほうがいいですか?

印刷してモニターの横に貼るのがおすすめです。わからないときに手元ではなく配列表を見るようにすると、手元を見るクセがつきにくくなります。

5. Windows と Mac で配列は違いますか?

アルファベット・数字・記号のキーの並びは、Windows と Mac で共通です。日本語入力の切り替えなど、一部のキーの名前や位置が機種によって違います。

まとめ

  • キーボード配列は、頭で丸暗記するより「指で覚える」ほうが早い
  • 語呂合わせは、上の段「クワーティ・ういおっぷ」、まん中の段「朝だ ふぐ・はじける」、下の段「ズクシブ(コピペの段)・ばんめ」
  • ローマ字入力なら、母音の A・I・U・E・O から覚えると打てる文字が一気に増える
  • 覚える順番は、まん中の段→上の段→下の段→数字と記号の段
  • わからなくなったら、手元ではなくモニターの横の配列表を見る
  • どうしても覚えられないときは、手元を見るクセを疑い、キーの文字を隠してみる

配列を覚えるのに、年齢は関係ありません。研究員も44歳から始めて、少しずつ打てるようになりました。今日はまず、まん中の段の「朝だ ふぐ・はじける」から始めてみましょう。